【PL19−20/第12節 リバプール戦】ビッグマッチに相応しいハイテンションも、決定力を欠き、、、
仕事前の深夜でも観る価値あるビッグマッチで、それに相応しいスピード感を持った試合でした。あとは勝ってくれれば最高だったんですがね。
シティスカッド。
GK:ブラボ
DF:ウォーカー、ストーンズ、フェルナンジーニョ、アンへリーニョ
MF:デ・ブルイネ、ロドリ、ギュンドアン
怪我人多発のシティはとうとうGKエデルソンまで欠きましたので、先発はブラボ。GKウォーカーじゃありませんよ(笑)負傷中のロドリが戻ってくるとは全く予期してなかったんですが、この重要な局面での復帰となりました。もう一つの注目は左サイドバックに入ったアンへリーニョです。
【リバプール:3−1:マン・シティ】LOSE
ハイテンション!!今やプレミアを代表する2チームは乗っけからスピード感満載のプレーを見せてくれました。シティの入りはかなり良かったと思います。最近ではあまり観られなかったスピード感あるハイプレスと、前に前に行こうとする姿勢もAWAYとは言え気概の感じられるプレーだったのはビッグマッチならではでしょうか。まぁそんな攻勢を跳ね除け、速攻1発で先制点をすぐさま叩き出したリバプールは流石の一言と言えるでしょう。
リバプール先制点のシーンは、最初の物議を醸しているシーンだと思いますが、このジャッジに不当性は見当たらないですね。シティ側の失敗としては、あまりに気持ちが入っていたが故に“手に当たった”という事実のみに囚われ、集中が途切れてしまった事です。ここで一気に流れが変わってしまったので、高い代償を払ったと言えます。
リバプール最大の脅威は寄せの速さ
個人的にリバプールを観ていて思うのは、プレーのスピード感で言えば彼等よりも優れているチームは正直見当たりませんね。中1日余裕のあったリバプールですが、それを差し引いても圧倒的な質量です。通常4−3−3の布陣を敷いているリバプールですが、シティのように守備時に4−4−2にシフトしてという事はあまり観られませんでした。そうなると当然、中盤3枚の脇というのは空きやすく、ここをSBが上手く使いたかったところなんですが、リバプールの3枚の横のスライドがめちゃくちゃ速い。アンへリーニョを先発で入れたのには、恐らくこのスペースを起点に上手く使えるようにだと思われます。対面のサラーはスピードは抜群ですが守備意識そのものは高くありませんからね。只、ここをヘンダーソンがカバーし、逆サイドのマネは非常に気が利く選手なので度々補完していました。
失点に繋がるギュンドアンのクリアミスも、決定機を3度迎えたアグエロが3本ともモノに出来なかったのも、他のチームとは1段も2段も上のプレッシャーを受けていたからに他なりません。シティもハイプレスを基盤とするチームではありますが、特に中盤の運動能力に関してはリバプールに遅れを取っているのは否定出来ないでしょう。ロドリ、ギュンドアンはそれ程動き回るタイプでもありませんし、デ・ブルイネは上下動は得意ですが横の動きはそれ程ではありません。中盤を構成するタイプが違うので、当然と言えば当然ですがあのプレッシャー化で上回るには際立った技術が必要だった事でしょう。
ただしそれが90分持続する訳ではありませんから、70分程でペースダウンしています。その後のシティの攻勢を考えれば、やはりあの高過ぎるインテンシティがリバプールに取っての最大の武器であり、シティとしてはその間に3点を奪われてしまった事が敗因だったと言えます。少なくとも1点差で粘るべきでしたし、3点目を安易に与えているのはいただけないでしょう。
これ程までに頼もしかったスターリングがいただろうか?
ここからはシティにとってポジティブだった面について。最近の数シーズンで大きく評価を高めているスターリングですが、アンフィールドでは全くプレー出来ていませんでした。しかし遂に殻を破ったのか、この日のシティでMOTMを選ぶならスターリングを迷わず選ぶでしょう。
前半からスピードある仕掛けを見せては、後半からは独壇場に。実際のところ、この試合で唯一シティ側が大きく上回ったのはスターリングだけでしょう。デ・ブルイネも凄みは何度と見せてはいましたが。スターリングとアーノルドのマッチアップが、ほぼ確実に勝てるところであり、実際にそこから多くのチャンスが生まれています。アーノルドは攻撃面では厄介な存在でしたが、守備面では問題を抱えていたのは間違いないでしょう。
途中クロップがマネの位置をスターリング側に持ってきたことからも伺えます。マネはスピードある上に守備意識も高く、アーノルドを助けにいっています。それでもかなりのチャンスを量産しましたので、惜しむらくはゴールが伴わなかった事が残念です。
VARはまた物議を呼ぶ
これだけレベルの高い試合だった訳ですが、VARがまたクローズアップしてしまったのが残念です。一番のシーンは多分、後半のハンドだったかと思いますが、どうなんでしょうね。識者達でも意見が分かれるところですし、ハンドの新ルールに則ったとしても審判により判断が分かれるような微妙なプレーだったと思います。まぁ私はシティ応援してますので、“何でハンドじゃないねん!!”って深夜に騒ぎたてそうになってましたが(笑)
それ程微妙なモノだという事は審判の判断を尊重すべきなんでしょうが、根本の問題はモウリーニョが語ったようにシーズン通してジャッジの一貫性を保てない事でしょう。そもそもフットボールは、主審のジャッジにはある程度の幅を持たせてきている訳ですから、今のVARが何か合わないのはそこを維持しつつだからかもしれません。
VAR導入により“手に当たった”という事実は誰でも分かるようになった訳ですが、それが故意なのかどうか(基準はあるが、それもいくつかの解釈が出来てしまう)真実を判断するのは主審に委ねられていますので、人によって違和感が生まれてしまうのでしょう。またそれ故にVARで見えてしまう分だけ、余計に感情を逆立てられてしまうんだと思います。
大一番は落とした、そして気づけば4位だ!!
まぁジャッジによっては結果が異なった可能性はありますが、リバプールが素晴らしいフットボールを披露して勝った事実は変わりないですし、妥当だと思います。シティは最後の精度こそ欠いたものの、最近のプレーに比べれば遥かにマシでしたし、次を見据えるしかないかなと思います。
と言うか、気づけば4位だし!!2位ですらない訳ですから。次のリーグ戦は3位チェルシーとの1戦で、こちらも重要です。ランパード監督率いる若きチェルシーに、プレミアの厳しさを与えてやれるよう前向いて欲しいですね。