クマごろうの独り言

三十路を越えたクマのオス。フットボール中心に気になること

【FFP裁判】証拠不十分により勝訴

様々な方面からの意見があるであろう今回のCAS(スポーツ仲裁裁判所)での、マン・シティとUEFAFFP裁判でしたが、結論から言えばシティ側の完全勝訴と言えるでしょう。

 

以下が、CASの判決です。

https://www.tas-cas.org/fileadmin/user_upload/CAS_Media_Release_6785_Decision.pdf

 

Google翻訳さんに頼った結果によると、CASはスポンサーの水増し疑惑等に関しては“侵害の殆どが確立されていない(証拠不十分)“及び“時間切れ(時効)”として認めませんでした。また、それとは別に以下に記載する“クラブライセンス及びFFP規則の56条(捜査協力)“に違反したとして、罰金1,000万€の30日以内での支払いをシティに求めました。

 

クラブライセンス及びFFP規則

https://www.uefa.com/MultimediaFiles/Download/Tech/uefaorg/General/02/56/20/15/2562015_DOWNLOAD.pdf#search=%252756+of+the+Club+Licensing+and+Financial+Fair+Play+Regulations.%2527

 

つまり、シティファンからしてみれば完全勝訴と言える内容ではないでしょうか。これに異論のある方も多そうな気がしますが、何はともあれ推定無罪の原則からすれば証拠を確立できていない以上、罰則を強いるのは難しいでしょう。

ただ、BBCのニュースを読む限り、UEFA側としては一応スイス連邦裁判所への上訴が可能とのこと。現実的にはその線は薄いようですが、UEFAがどのような見解を今後発表するのか分かりませんが、継続して見守る必要はありそうです。

 

BBCニュース記事

 

この勝訴がもたらすものとは

 

今回の結果に対する反応を見る限り、良いようには受け取ってないのが大半でしょうか。特にシティファンでなければ尚更ですね。個人的には、そもそもあれだけの大きなクラブになってくれば、シティに限らずグレーなことはしている前提で思ってますので、無罪となりましたが“確実な白“とは言い切れないだろうなぁと本音では思ってたりします。ただ、少なくとも有罪とするためには証拠が必要なのもまた確かでしょう。それを揃えられなかった時点でUEFAは負けたと言えます。

 

心象という意味では随分とヒールになった感じはしますが、特にヒーローだったクラブでもないですし気にする必要もないかなと思います。シティファンは“クラブが罰則を受けるべきだった“とまで、自虐的になる必要はないかと。過去にFFPで制裁を喰らったクラブもありますが、当然今回のシティのようにCASに上訴したクラブも複数存在します。

 

この勝訴によりシティとしては変わらずの強化の道を辿れる訳ですが、クラブを見る目は変わるかもしれません。シティとしては心理面において気にする必要はないですが、財務面及び情報セキュリティ面においては強化するに越したことはないでしょう。

 

またFFPは意味ないものだという意見も見受けましたが、まさにここが焦点でしょう。全くその通りで意味のないというよりかは価値のないものだと思います。只、気をつけるべきはFFPが全く意味なく守る必要がないかと問われれば、そうでもないと思います。今回のシティは証拠不十分のために無罪となっていますが、どのケースでもこれに該当するかは分からない訳ですから。価値のないものだと思うのは、クラブの財政を守る建前ではありますが、既存のビッグクラブを守る意味合いが多分に含まれていることは既知の通りで、またUEFAにアル・ケライフィが入り込んでいる時点でおかしいですしね。結局のところ政治色が強いものに行き着きますし、それは今回の判決を不服と感じた方も納得せざるを得ない部分かなと思います。

 

何にせよ今回の結果により、FFP及びUEFAはまたしてもとても脆弱な部分を露呈しました。FFPは死んだか、否、既に死んでいたが正しい。ルールそのものも去ることながらFFPという概念自体、本当に必要なのかを見直す時が来ているという事でしょう。

 

にほんブログ村 サッカーブログ プレミアリーグへ
にほんブログ村

 

にほんブログ村 サッカーブログ 海外サッカーへ
にほんブログ村