クマごろうの独り言

三十路を越えたクマのオス。フットボール中心に気になること

【マン・シティ19−20/プレミアシーズンレビュー】守備スカッド編

シーズン2位フィニッシュし、カップトレブルはFAカップセミファイナルでアーセナルに敗れた為、後はCLを残すのみとなっているシティ。余談ですが、朝イチのFAカップ・ファイナルにてアーセナルチェルシーを下し、アルテタ監督としての初タイトルとなりましたね。試合終了後の様子を見る限りでは、選手と非常に良い関係を築いているのだなと感じました。おめでとうございます。チェルシー側では愛と信頼の第2GKことカバジェロの勇姿が見れたのもシチズン的には良かったですよね。

 

さてシティですが、数々の困難に見舞われた今季だった訳で、ピッチ内外で苦しいシーズンでした。リーグ戦におけるリバプールの強さは圧巻でしたし、付け入る隙はシティの方が多く見せてしまいましたね。シーズン中のマッチレビューでも何度も述べた気がしますが、今のチームは一つのピークは過ぎたと思ってますので、CLの結果に関わらずチーム改革の必要があるでしょう。いくつかのポジションで問題を抱えているのも周知の事実ですね。その意味では、シーズン最高の働きを見せたのが映画の如き弁護士50人だったとかは内緒。

 

という事で、各選手及び各セクションレビューです。

 

守備セクション

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今季最大の失速原因は守備陣が安定しなかった事なのは間違いないでしょう。各方面でも指摘されている通りで、ラポルトの離脱が非常に痛かったのも事実です。ただ勘違いしてはいけないのは、ラポルト離脱の影響は純粋に守備力が落ちた事だけでなく、攻撃時のビルドアップの質の低下に大きく与えており、マン・シティにとってはそれが守備力低下にも繋がってしまうという事ですね。寧ろこちらの方が重要かもしれません。基本的にボールを持って相手陣内でのプレーを好むチームにおいてビルドアップが安定しないという事は、リズムを乱す原因であり、また不用意なカウンターを受けるのと同義ですから、即失点に繋がる危険性を多分にはらんでいます。Jリーグの今季の鹿島とか見てる人には分かり易いでしょうね。つまり来季求めるCB像も純粋な守備者としての能力だけではないという事です。

 

ハイプレス・ハイラインが基本の守備は過去3シーズンと同様で、ビルドアップの規制の掛け方にはコロナ前とコロナ後で変化することはありましたが、コンセプト自体に変化はありませんね。コロナ前では4−4−2の守備ラインで相手CBにアプローチを掛けるのは、トップとインサイドハーフの内1人(主にダビド)が前に出て規制していましたが、コロナ後はトップとウィンガーが片方のサイドを切りながら、相手守備陣にアプローチを掛けていましたね。まぁ今季はハイプレスを掛けても上手く切り抜けられるシーンが結構ありましたから、その辺を気にしていたんでしょうかね。外されてセットアップした守備になった時、シティの守備力はそれほど信用できるモノでもありませんし、サイドに限定しながら囲い込みたかったかもしれません。

 

また前述のラポルト離脱によりほぼCBとしてプレーしたフェルナンジーニョは居てくれて本当に助かる存在です。只、本職ではないのでどうしてもクロスへの対応などは問題出てしまいますから、ペップらしいっちゃらしいですが、厳しい局面もありました。まぁラポルト以外のCBが如何に不甲斐ないかの証明みたいになっちゃってますから、フェルナンジーニョが不憫でなりません。結果、1シーズン目からアンカーとしてフルスロットルとなったロドリは、対人守備では良いものを見せていましたし、スペースのケアも上手くやっていましたが、ビルドアップへの貢献は期待したほどではありませんでした。全盛期のブスケッツと比較しても仕方ないよなとは思いつつ、まぁ2シーズン目に期待しときましょう。

 

選手レビュー

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GK:エデルソン

非常に良いパフォーマンスだったのは、シティの守備が上手くいっていないことの裏付けにもなってますね。守備機会が増えた今季は、シュートストップで大いに貢献してくれました。弾丸パントも健在で、あれだけ問題抱えた守備陣においてゴールデングローブを獲得できたのは少々意外でしたが、パフォーマンス的には最高峰でしたね。

GK:クラウディオ・ブラボ

昨季はカップ戦で大活躍だった印象ですが、負傷やレッドカードやらで踏んだり蹴ったりのシティ生活も今季で見納めでしょうか。

 

CB:エメリック・ラポルト

出場時の攻守における安定感は、負傷で長期離脱したことでより鮮明になったのは最大の皮肉。彼がコンスタントに出場できることと相棒をきちんと見つけることが来季の目標ですね。守備陣の大黒柱ですが、書いてる評価がかつてのコンパニとシティ守備陣に似てる気が、、、錯覚だよね。

CB:フェルナンジーニョ

頼りになる大ベテランは今季は本格的にCBを主戦場に。なったことはシティの苦しいチーム事情とイコールになってしまいましたね。流石の戦術眼と対人能力の高さで第2のマスチェラーノかと、私だけが沸き立ってましたがそこまで上手くは行きませんでした。でも彼がいなけりゃ後述する2人が出てくる訳ですから、大変貴重な存在でした。来季もオナシャス。

CB:ニコラス・オタメンディ

2シーズン前のベストDFの一人。時の流れは早く時に残酷なモノではありますが、そのプレイに面影は一つもないですね。異常なまでの判断の見切りの速さで悉く賭けに負け続けたギャンブラー。もうちょっと我慢できんかなと、見ているこっちの我慢も限界に。

CB:ジョン・ストーンズ

2シーズン前のベストDFの一人。時の流れは早く時に残酷なモノではありますが、そのプレイに面影は一つもないですね。あれっ、一緒なこと書いてますね。こちらは兎に角自信のないプレーに終始しています。度重なる負傷で感覚を失ってしまったのか“天才ですから“とあっけらかんと自信満々に言ってくれれば良いんですけどね。

CB:エリック・ガルシア

コロナ後のレギュラークラス。バルサ出身のCBは見事なビルドアップを披露し、ペップの信頼をガッチリ掴みました。またコンスタントな出場があったからこそ見えた守備の課題を克服できるかが、今後のキャリアの鍵となるでしょう。地元界隈からの復帰要請が強いようですが、5年目のシティファン及び23年目となるクレとしては、混迷するブラウグラナのようにどっちつかずな気持ちに。スミマセン。

 

右SB:カイル・ウォーカー

頼りない守備陣で頼りになる兄貴は、ピッチ外でもハッスルし過ぎて大顰蹙を買うことに。しかし、ピッチ内のプレーは非常に良かったです。30台になっても衰えない驚異的な走力は、時には自陣の広大な裏のスペースを、時には相手のタッチライン際を爆走し、近寄る相手をなぎ倒すダンプカーさながら。彼こそシティ守備陣の重戦車。

右SB:ジョアン・カンセロ

とても良い人ダニーロさんと入れ替えで加入したポルトガル人ラテラル。噂通りの守備の軽さはイングランドの地でも健在。攻撃面でのテクニカルな多彩さはウォーカーとは違う良い味ですが、今のところレギュラーとしては不十分ですね。最近は左SBでも起用されるマルチぶり、ってこれ別にダニーロさんのままでも良かったんじゃ。来季の変貌に期待!!

 

左SB:バンジャマン・メンディ

とても陽気なフランス人ラテラルは、在籍3シーズン目にしてようやくコンスタントな出場を手にしましたが、満足できるモノではありませんでしたね。未だに判断に迷うこともしばしばですし、自慢のクロスも明後日の方向へ。考え過ぎて頭に?が浮かんでそうです。迷いのないSNSFIFAインタビューがハイライト。

左SB:オレクサンドル・ジンチェンコ

デルフの次の偽サイドバック兼デ・ブルイネの弟。今季はハネムーンなどピッチ外程の幸せはピッチ内では教授できなかったです。メンディよりもスムーズなビルドアップは流石の一言ですが、強力なウィンガーの前では守備の脆さを見せるのは相変わらずで、本職サイドバックを求められる所以に。背番号11の左SBというコラロフから2代続く謎の系譜は、ここで途絶えるのか否か。

左SB:アンへリーニョ

今季一押しのサイドバックと見込んだアンへリーニョですが、プレミアへの順応が上手くいかず敢えなくレンタルで途中放出に。レンタル先のライプツィヒではレギュラークラスとして頑張ってるそうなので、成長してのレンタルバックを期待しときます。

 

以上、守備陣です。長くなったので次回、攻撃陣とします。

 

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