【マン・シティ19−20/プレミアシーズンレビュー】攻撃スカッド編
既に移籍市場がオープンになり、フェラン・トーレスとアケの獲得に成功しております。ポイントとしては理に適った補強であり、移籍金もトーレスはかなり抑えられていますね。アケはその分ちょっと割高に感じちゃいます。この2人についてはまた別の機会に触れることにして、守備スカッドに続いて攻撃陣のレビューです。
攻撃セクション
今季もリーグで100得点を超えたシティですが、その得点力をそのまま受け取ることは難しいかもしれませんね。特に今季は守備を固めたチームへの先制点に非常に苦労しており、逆に先制点さえ入れば大量得点に持っていった試合も少なくありません。ファイナルサードでの精度に欠ける印象は多々あり、わずかなパスのズレやシュートのタッチミスなど、これがテクニカルな問題なのかフィットネスの問題なのか、はたまたメンタルの問題なのか。イマイチ乗れないなと感じる試合が多かったですね。
一つの要因としてあげられるのは、やはりラポルトの長期離脱でしょう。攻撃時のビルドアップにてラポルトの欠場は非常に痛手で、特に相手2ライン間に差し込む縦パスや、1発で展開できる斜めのロングパスに影響を与えます。次の展開につなげるこれらの楔が入らないのが、攻撃のスピードアップ欠如に繋がってしまうんですよね。また、先に触れたファイナルサードでのズレも言うなればリズムが悪いからであり、リズムを作るのは円滑なビルドアップな訳です。代役のフェルナンジーニョは本当によくやってくれましたが、右利きだとワンテンポ遅れてしまうので、左のCBにはやはり左利きということです。
しかし悪いことばかりではもちろん無く、個人にフォーカスすれば特にインサイドハーフの2枚看板は極上の輝きを披露してくれたと言えます。シティを10年支えた偉大なるダビド・シルバと新たな大黒柱であるデ・ブルイネ。このキャラクターの異なる2人の存在が、チームの攻撃に多大な影響を与えています。ダビドはやはり2ライン間でボールを受ける巧さと、密集地を苦にしないスキルで相手を翻弄し、デ・ブルイネは広大なエリアをカバーできる走力と一撃必殺のキックで攻撃を牽引してくれて心強い限りでしたね。また2年目のマフレズが一気に地位を確保。右サイドからのカットインで左足も、それをフェイクにした縦への突破も猛威を奮っています。相対的に印象の薄くなったベルナルドですが、ユーティリティな使い勝手とプレイの安定感は十分信頼できます。また終盤にかけて一気にブレイクしたフォーデン。そしてスターリングは年々凄みを増してきている印象です。
後は大エース・アグエロをジェズスが継承できるのかが今後のシティの鍵となるでしょう。
選手レビュー
DMF:ロドリ
今季の目玉はフェルナンジーニョがCBに回されたことにより、準備期間も程なくチームの最も重要なポジションを任されることに。体躯の良さを活かした守備は期待通りであり、ボール奪取に長けています。只、ビルドアップでは期待したほどでは無く、相手プレスによるボールロストも目立つこともありましたね。最も難しいポジションでもありますから、2年目に期待ですね。後、カンセロとそっくりさん。
DMF:イルカイ・ギュンドアン
インサイドハーフでもアンカーでも変わらず飄々とプレーするのが彼の魅力。結構、槍玉にあげられることも多い気がしますが、個人的にはかなり良いプレーヤーだと思います。守備力に難があるのは確かですが、チームの攻守が連動している時はスペースカバーとか抜群に上手いんですけどね。対人は苦手ですが、パス出しは非常に上手。
AMF:ベルナルド・シウバ
昨季のMVP級活躍のベルナルドは、怪我から復帰したデ・ブルイネと2年目でハマったマフレズによりすっかり影が薄くなってしまった。その影響か頭もちょっと薄くなった気がするのは内緒。只、ウィングでもインサイドでも左右どちらともプレーできるのは、彼のスキルとバイタリティの高さ故、ダビドのいなくなる来季はフォーデンと並ぶキーマンになるでしょう。
AMF:ケヴィン・デ・ブルイネ
怪我からの華麗なる復帰。縦横無尽の走力、正確無比なキック。スルーパスやサイドからの高速クロスなど分かっていても止められない凄みがあります。そして最近よく使うFKでのドライブシュート。縦回転のあれはドライブシュートと呼ぶに相応しい、多分。MFとして世界最高かは判断しかねますが、間違いなくチャンスメーカーとしては世界最高であることを証明しています。今現在、彼以上に単独でゴールチャンスを作り出せるのはメッシ以外にいないでしょう。FFP問題が解消され、これで来季も彼に頼りまくります!!
AMF:ダビド・シルバ
ダビドがイングランドに渡って早10年ですか。まぁ本当に巧いという表現が似合いますね。ポジショニングと走り込むタイミングといい間の取り方が抜群で、その絶対的なボールスキルは密集地でも苦にせず。匠の技を見せてくれる安心感。最後にビッグイヤーを掲げさせたいですね。後、可能性もう薄そうですが神戸に来てくれても良いんですよ。観たい、、、
AMF:フィル・フォーデン
コロナ後で多くの出場機会を得ると、卓越したパフォーマンスを披露しています。ウィンガーとしての起用が多かったですが、ダビドよりもスピードがあり縦への推進力で勝る為、コンビネーションだけでなく単騎突破も期待できます。ユース出身、ダビドの後継者に次の10年を担ってもらう事としましょう。
RWG:マフレズ
2シーズン目にして遂に本領発揮。シーズン前のアフリカネーションズカップで飛躍し、守備意識も向上して精力的に参加するようになっています。基本、右サイドで受けてカットインが1番の武器ですが、抜ききらずの巻いたクロスもカットインを囮りにした切り返しも威力抜群。デ・ブルイネを使うタイミングなども昨季よりスムーズで、ようやくハマった感はあります。
LWG:スターリング
今やデ・ブルイネと並ぶ攻撃の中心。左でも右でも高性能で、ドリブルでのカットイン、コンビネーションを使った裏への飛び出し、インサイドに巻いたシュートにゴール前でのポジショニングの良さと、攻撃の全局面に関与しています。また優れた機動力と敏捷性により速攻でも遅攻でも問題なく力を発揮できるのも強みですね。得点も遂に大台の20ゴールに到達、ウィンガーとしては十分過ぎる成績でしょう。マドリーに変心する前にマドリーをやっつけてもらいたい。
LWG:レロイ・サネ
エティハドを沸かせたドイツのモジャモジャも、今季は怪我に泣かされ、契約残り1年となったところで移籍となってしまいました。やっぱドイツ人にとってバイエルンは盟主なんでしょうね。シャルケファンは泣いても良いでしょう。サネで思い起こされるのは、やはりリバプール戦ですかね。かなりのアップテンポとなるリバプール戦では大活躍してくれました。ありがとう。来季もリバプール戦のみレンタルさせてください。そういう契約ないですか?そうですか。
CF:セルヒオ・アグエロ
今季も頼りになった大砲。活動量はそう多くないですけど、ここ一番の決定力とペナルティエリア内での巧さは抜群。シティの大エースはゴールという面で非常に頼もしい存在です。終盤の怪我で、いつ頃復帰できるのか。コンパニ、ヤヤ、ダビドと長年プレーした盟友たちが去って行きますが、来季も頼っときます。
CF:ガブリエル・ジェズス
入団時の勢いが萎み気味なのが、次期エース候補筆頭のセレソン。ウィングも問題ないスピードとテクニック、真面目なプレスと出場すればそれなりにゴールなりアシストなりしているのだけれども、全幅の信頼をまだ寄せられないのは、重要なゴールが少ないせいか垂れた眉毛のせいなのか。来季、覚醒しなければ、いよいよ別の誰かを考えなければいけなくなる可能性も。
という事で書いてて気づいたのは個々のパフォーマンスは浮き沈みはあったものの、結構良いプレーも多かったんだなと。そう思うと、CBやアンカーなど重要なポジションで想定外だったのが、チームに影響を及ぼしたのかなと思います。まぁ過去に何度も触れましたがこのチームは一旦ピークは過ぎてますので、既に決まっているトーレスやアケなど新風を吹き込んで、カネを注ぎ込んで、新たなモチベーションを持って行かなきゃいけないかなと思います。
只、その前にマドリーとの今季の大一番も残っていますし、勝ち続ける限りまだダビドのシティでのプレーが見れますから、今季残りも応援し続けたいと思います。ダビドがビッグイヤーを掲げたら胸熱なんですがね!!