クマごろうの独り言

三十路を越えたクマのオス。フットボール中心に気になること

フットボールとメンタル

興味深い記事があったので、ちょっと紹介です。

この記事ではフットボールをメンタルの側面からアプローチを取っています。いくつか気になった点をまとめてみます。

 

メンタルを科学する

 

フットボールに関わらず、スポーツやそれ以外の分野でもよく聞くメンタルについて。メンタル面が良くも悪くも影響するシーンってあると思うんですが、実際のところ具体性に乏しく指導するにしても難しい部分だと思います。

 

この記事では、その具体化しにくいメンタルという面を理論的に組み立てているところに共感が持てます。メンタルコーチのロベルト・チビタレーゼ氏によると、脳の動きについて以下の3つがあると言います。

 

①受容

②解釈

③反応

 

この中で重要なのは、②解釈でありここをどう出来るかがメンタル面の強化にあたるようです。①受容は、自分以外から齎されるので変えようがなく、③反応はあくまで②解釈に伴う結果という訳です。

 

後で記事にあった具体例も考察しますが、これらをメンタルという不確かな要素で考えれば、中々浸透は難しいかもしれません。しかし、心理学と共に脳神経科学で変化の検証をしながらメソッド化するという事なので、今後のフットボール界においてもかなり重要になってくるのではと個人的には思いました。

 

メンタルコントロールで決定力不足解消!?

 

では具体例についてですが、記事中ではゴールを決められないストライカー試合に出られない選手のメンタルについてフォーカスしています。

どちらもイメージの湧くホットなトピックスですね(笑)

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誰しもが思う『決めろよ〜』って場面、あります。特に今季のシティや日本代表を観てる人は思うこと多いんじゃないですかね。

そんなゴール前でのシーンですが、外す選手の心理状態はかなりネガティブな発想になっているようです。

 

『バーの上に蹴っちゃいけない』『ミスをしちゃいけない』『俺は途中交代で入るとゴールを決められない。スタメンじゃないと得点できないんだ』『俺はこのボールをトラップし損なうだろう』

 

氏が実際に選手から聞いた心理状態なのですが、かなりのネガティブワードが並んでますよね。ミスが続けば余計にこういった思考に陥り易いのだと思います。

 ではどうポジティブな発想に持っていくかですが、以下の順序を踏むようです。

 

①ポジティブな言葉を自分にかける

②成功のイメージを頭に作る

 

簡単に言ってますが、これってかなり難しい気がします。もちろん実際のメンタルコーチなら確かな手法を持っているんでしょうが。

ポジティブな言葉に関しては、無理矢理自分に言い聞かす事も出来るかと思いますが、実際には難しい人も多いでしょう。更には成功のイメージを頭に作るに至っては、成功した事が少ない人にとっていよいよ難しいように思います。

 

その場合、やはり人や物に頼るのが良いのかなと思います。①に関しては話せる人間(メンタルコーチやセラピストなど)を作ることで、②に関してはイメージビデオでも代用出来るのかなとも思ったりします。特にビデオに関しては、バルサ時代のペップが用いたものが有名でしょうか。CLファイナル前に選手に見せた、選手全員の良いプレーを集めたモチベーションビデオですね。これも同じ様な効果を齎したのでは。

まぁどちらも1人で行うには難しい部分がありますので、選手やクラブは今後メンタルコーチなどは積極的に活用すべきかなと思います。

 

ストライカーはエゴイストであるべきなのは、こういうメンタルの面が得点に影響を及ぼすからですかね。【俺が決める】という意思は、思っている以上に重要なのかもしれません。 

そしていつの日か日本代表でも、頼もしいまでにゴールを量産するストライカーが現れると嬉しいですね。

 

ブレずに自身の成長に目標を置く

 

もう一つの例である、選手が試合に出られないパターンですが、この場合のメンタルの持っていき方は、自身の成長に焦点を当てる事が重要なようです。

 

①自身に決定権のないものは割り切る

②自身の目標をハッキリさせる

③その為に必要なアプローチを具体的にする。

 

監督が選手を起用するかどうかは、自身で判断できる問題ではないという事を認識する事から始まり、選手にはどうなりたいかという目標を設定します。

目標は千差万別ですが、それをなす為に必要なのはフットボーラーとしての成長という共通項目なので、自身の成長に焦点を当てるように心的構造を作ることが大事だという事ですね。そして、自身の成長に関してはデータなどを用いてより具体化する。

 

これを読んでて思いましたが、まさに日本代表の本田圭佑を思い浮かべました。現状、ミランでの3年間をあまり良い状態では過ごせなかった本田ですが、自身の成長に主眼を置いているのは選手として理想的なメンタルの持ち主ではと思います。

 

色々な賛否に分かれる本田ですが、私はかなり肯定的です。確かにプレーに不満はありますが、目標を設定し遂行する能力は並外れたモノがあると思っていますからね。実際のところ本田は、自身のポテンシャルをよく分かっていて、それを発揮するのが上手いです。その点では、中田英寿にも通ずる部分かなと思います。重要なゴールを多く決めているのも本田の特徴で、それはメンタル的なものも含めてしっかりと準備が出来ている証拠でしょう。

 

メンタルはフットボールの次なる可能性か

 

ここまで記事を元に、メンタルについて書きましたが、氏が言うように実際にはまだフットボール界全体への普及はこれからでしょう。だからこそ、日本フットボール界はいち早く取り入れていっても良いと思います。記事を読む分には現役の選手達はもちろんのこと、若年層からの育成にこそ取り入れて欲しいですね。ポジティブな思考回路や成功のイメージは、やはりトレーニングして身に付ける技術だと思いますので、早いに越した事はないと思います。

 

あと記事の中で見逃してはいけないなと思ったのは、目標達成する為に必要なファクターは?と問われたチビタレーゼ氏が、選手の遂行能力と述べた事ですね。つまりメンタルトレーニングで向上は図れるにしても、最終的に遂行できるかは選手次第だという事。メンタルも資質の一つだということなんです。やり遂げる意思というのは誰しもが容易く持ち得るものではありません。まぁだからと言っても程度の違いはあれ、向上出来るのであればやはり取り入れるべきですね。

 

現在のフットボールに於いてフィジカルに技術や戦術は発達していますが、メンタルはまだ未開の分野なので伸び代があります。メンタルの充実が選手の好プレーや、精度の安定感を向上してくれればフットボールの更なる進化がみれるかもしれませんね。

 

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